空に架ける橋
2008.02.09-10
武装部族による危険地帯の為、個人では行けない"シャハラ"。
切り立った岩山に架かる石橋が有名な場所です。

ツアーを利用すれば訪問可能って事で、ツアーをいくつか当たり、値段・内容共に良かった"アミン・ツアー"を利用。
イエメン到着当日に観光許可証を警察に貰いに行った時に、カートやり過ぎでグダグダになっていたダメダメ警官Mrアミンの個人手配ツアーです。(そのときの事は、過去のコイタビ。便り 113:幸せの国の人々 [サナア] 参照してください。)

"旅行人"の掲示板で「Mr.アミンなる人物がそこそこ良い」との情報があったのでMr.アミンの家を探して訪問したら、旅行許可証取得時に出会ったダメダメ警官がそこに居ました。
最初は「こいつがアミンかー!ダメだこりゃ……。」と思ったものの、カートをやっていない彼はシッカリした人物でした。
ホント、カートが無ければ本当に良い国になりそうです。

ツアーの説明を聞くと、他に5人の日本人がツアー予約しているとの事。
私達6人グループが参加すれば計11人の車2台での大人数ツアーになるのでMr.アミンも付き添うと言います。
Mr.アミンが付き添うならば、ツアー中に何かあってもその場で文句が言えるし、これ幸いと即決定。
1人:ツアー代22ドル+ホテル代10ドル=32ドルの格安ツアー。
※ツアー代自体は130ドル(宿代別)。 6人まで乗車可能で料金は人数割りとなります。
格安と言えども、大満足のとても楽しいシャハラ観光となりました。

●シャハラへ行こう
当日朝、4WD車が迎えに来ました。
今回はさっちゃん、Jun&しかちゃん、園子さん、私達の6人組。
助手席に2人、後部座席に4人乗っての少しキツキツの移動でした。
人数が6人だし、キツキツなのは仕方なし。 4〜5人がBESTですね。
女性陣全員が細く助かったのでした。

まずは昔の城壁の残る町へ。
日本人計11人でゾロゾロと町を散策、 団体旅行客です。
Mr.アミンが一緒に周り、城壁や建物について色々と説明してくれました。
ガイドもとても分かりやすくGood。
泥と藁で作られた家々。
当時のまま、何百年も使われているそうです。
さて、このツアーには護衛が付きます。
お昼前、道中の検問所から護衛達と合流したのですが、最初見たときに「え?こんなのが一緒なの!?」と驚きました。
その護衛車がこれ。

荷台に付いた機関銃は建物の壁も貫通するそうです。
そして兵隊全員が自動小銃を装備しています。
なんつう重装備の護衛なんだか。
実に物騒ですが、これくらいの武装をしないとマジメに危ない地域だそうで……。
護衛を連れて昼食を取り、その後シャハラの麓まで移動して4WDでの移動は終了。

ココからシャハラの頂上まではトラックの荷台に乗りかえての移動です。
道が悪過ぎる為、乗ってきた4WDでは移動しないとの事。
車を乗り換える話は聞いてなかったのですが、とりあえず車を換えての移動です。
ドナドナドーナー、旅行者を乗せてトラックは揺れるぅー♪
人数居て狭いし、激揺れだしで、この荷台での移動は辛かった。
このシャハラへ至る道がメチャクチャで、ガタガタ道を跳ねまくり進みます。
ちょっと気を抜くと荷台から振り落とされそうです。
荷台のあちこちをシッカリ掴み、登ること1時間半、やっと頂上の村落に到着しました。

天空の村、発見!
宿の屋上から見た、夕闇の風景にジーンと痺れました。
途中の景色はとてもとても素晴らしく、他では見れない程の絶景だったのですが、景色に感動する暇なく必死でしがみついていた為、次の日には腕と背中が筋肉痛……もちろん写真も撮る余裕ありませんでした。
この景色、心に刻もう。
宿に着いた時には皆、砂埃で体中真っ黒、荷物も砂だらけ。
宿は至極普通の宿でしたが、皆で食べた夕食がとても美味しく大満足。
荷台での移動で疲労した事もあり、ぐっすりと睡眠しました。

シンプルな夕食だったけれど美味しかった!

●空に架ける橋
翌朝、朝日を見に山の端っこへ。
早起きは3文の得、それどころか、プライスレスの得なのです。

朝モヤの中、美しい景色が見れました。
シャハラの名物は、切り立った岩山に架かる石橋。
下までは数百mもあり、こんな場所に石橋を架けた昔の人々が凄い。
そしてその石橋が今でも利用されているのが、また凄い。
もし壊れたとしても、今のイエメン人には直す事は出来ないんじゃ?

岩山の間を繋ぐ石橋は、まさに"空中に架かる橋"。
こんな絶壁に、よくもまぁ造ったものです。
この橋を渡って、下の町まで続く山道をハイキング。
標高が高いので息が切れます。
Mr.アミンが先頭に立って道案内、自動小銃を持った護衛の兵隊3人も一緒にハイキング。
仕事と言えども、重い銃を持ってのハイキングの付き添いは大変そうで……我々の護衛、ご苦労様です、感謝!
途中、白と黒のロバ・コンビに遭遇。
超可愛い。
橋を渡った先の丘の上で休憩中、Mr.アミンに「銃を撃ちたい?」と冗談みたいに聞かれたので、「撃つ、撃つ!」と答えたら、なんと本当に撃たせてくれました。

上:兵士の後ろがけんぽこ
ひろみんが怖がり近くで撮影出来ず。
下:兵士と共に撮影会
銃を持たせてもらって上機嫌のひろみん。
「向こうの山のあの木を撃て」と言われて狙ったものの、10m以上離れた場所にしか当りませんでした。
和気藹々と射撃会が始まりましたが、平和なんだか危険なんだか。

その後も、山下りのトレッキング。
素晴らしい景色の連続で、疲れるけれど大喜びの下山となりました。
登りと同様に下山も絶景の連続でした。
そして下山中に、やっと小さなコーヒー畑が!
って、時期が早くてコーヒーの花も実も何も無かったけど、念願のコーヒー畑が見れて満足。
「モカコーヒー?」って聞いたら「シャハラコーヒー」と言われ、むむむむぅ。

しかしここも他と同じくカート畑に追いやられていて、殆どがカート畑。
シャハラ産のカートは精力絶倫になるとかで"高級品"らしいですが、カートなんかよりシャハラコーヒーを飲みたいよ。
コーヒー畑だ!
って思ったら、全部カート畑でした。
途中でトラックの荷台に乗り下山。
登りと違って、下りは結構楽に乗車できました。
4WDに乗換え、途中昼食休憩をし、サナアに戻ってツアーはおしまい。

大満足の1泊2日のツアーなのでした。
イエメン観光は、シャハラへ是非!
シャハラ/イエメン
宿泊: シャハラの頂上の名もなきホテル(場所:シャハラ頂上) 1人10ドル相部屋 夕・朝食付き  トイレ・シャワー共同
★★★★★☆☆☆☆☆ 50点  宿としては極普通の安宿。 物価を考えると値段高過ぎですが場所が場所だけに贅沢は言えません&宿の選択の余地はありません。
物価: 買い物せずで不明
お勧め: 山頂からの朝日の景色を是非。 トレッキングの景色も素晴らしい。